ひとりごと6


徒然なるままに1

<其の一>
 「終わりよければ全てよし」と言いますが,う〜んやっぱり書いてしまいましょうか。。。
「愛犬チャンプ」1月号に「聴導犬」の記事が載っています。ユーザーの岸本さんとみかんちゃんの事です。

[去る8月,みかんはJR3社(東日本,東海,西日本)に乗車の許可をもらうため,試験を受けた。関係者が見守る中,5時間に渡って,みかんと岸本さんは電車に乗り,みかんがほかの乗客に迷惑をかけないように乗車ができるか試された。
 「電車の中では良かったのですが」とMAYUMIさんは残念そうにいった。
 検査官が食べ物をみかんの鼻先に近づけたとき,クリームが鼻についてしまい,みかんがそれをなめてしまった。このため,JRへの乗車が許可されなかった。
 試験に落ちてしまい,岸本さんは最寄りの駅からJRを使って,みかんを天王寺に連れていってあげられない。
 しかし,「JR西日本の担当者が連絡をくださって,もう一度乗車の試験を受けることになりました」(MAYUMIさん)という。
 次の試験では,みかんはきっとJRの乗車を許可されることだろう。]
※以上「愛犬チャンプ」2001年1月号より,抜粋転載しました。


 「クリームが鼻についてしまい,」とありますが,では何故そうなったのでしょう。電車が揺れたから?そうではありません。検査官がクリームパンのクリームを鼻先に差し出して,みかんちゃんは拒否するために何度か首を振った,という話を協会のスタッフからうかがいました。ところが,その振り向きざまクリームがついたらしいのです。「なめてしまった=不合格」というのは事実です。
 「はい,どうぞ」と鼻先にクリームパンを差し出すことを何回して「絶対食べない=行儀のよい犬」と,どうやら判断するとか。「絶対に食べない」もちろん必要なマナーです。世の中どんな人がいるかわかりませんから,他人から「どうぞ」と言われても食べてはいけない,それは確かにそうかもしれません。
 でも,アシスタンス・ドッグに「どうぞ」と食べ物を差し出すこと自体は,どうなのでしょう?それは,間違っていると思います。(アシスタンス・ドッグに限らず,食べ物を差し出すことも考えものです。ダイエットをしている犬や,病気で療養食しか食べてはいけない犬もいるのです。)

 その後みかんちゃんは,岸本お母さんからしか食べ物を口にしてはいけない,という徹底的な特訓を,パピークラスの時に受けました。歩行訓練をしている途中で,何人かのボランティアが,各々コロッケ,クリームパン,ベーコン,アイスクリームなどを持って,みかんちゃんの鼻先につきそうなくらい何回も差し出します。みかんちゃんの為と思っても,涙が出てきました。なぜ,こんなにまでしなくてはいけないのかと。

 「食べない」という事は大前提ですが,もしも何も知らずに「どうぞ」と食べ物を差し出す人がいたら,ユーザーさんはお断りするでしょう。そして,周りの人が気がついたら注意をするのが本当ではないでしょうか。「ワンワン」と言って2歳くらいの子供が走ってきて,持っていたお菓子を犬の口に入れようとするかもしれません。でも,それは親が止めると思うのです。
 
 アシスタンス・ドッグに要求されるマナーがあるのなら,周りの人達や社会全体にも要求されるマナーがあると思うのです。


<其の二>
 はなは,2月いっぱい協会にお世話になりました。それは,協会から「はなをデモンストレーション犬として,活躍させたいけれどどうでしょう?」という提案があったからです。はなにとって負担にならなければ,問題はないと思いました。
 実際,はなはタイマーを知らせるところまで,音のトレーニングをしていました。3歳を過ぎて大丈夫かなと心配していたのをよそに,4つの音を知らせて音の元へ導くことは,ほぼできました。あとは,私達の問題です。
 はなを連れに行った日に一泊して,お互いのタイミングと誉め方を学びました。トレーニングは長くても10分くらい。集中力を欠く前に「成功」して終えること。
 途中,有馬さんに「楽しいですか?」と聞かれ「タイミングが難しいですね。」と答えましたが,きっと笑顔なんて余裕が全くなかったんだろうな。
 東京へ帰ってきて,毎晩はなの食事の前にトレーニングの時間を持つことに決めました。(最近は時間を決めないようにしています。)日中はナミやくろまめと遊んだり,昼寝をしたりであまり表情が乏しいのですが,夜人間の食事が終わるころになると,全く違う犬になります。まるで子犬のようです。目がランランと輝き顔つきもキリリとして,もう嬉しくて嬉しくて体中が踊っているようです。

@まずはじめは,呼び鈴。(銀行や病院など順番待ちで名前や番号を呼ぶ代わりに,受付のかたなどに呼び鈴を鳴らしてもらいます。)

A次に,「呼んできて」。(聴覚障害をもっている方は,手がととかない範囲の人を呼んでも,または呼ばれてもわからないので,かわりに聴導犬が橋渡しをしてくれるというわけです。)

Bそれから,タイマー。(タイマーをセットしておけば,何処にいても何をしていても,知らせて音の元へ導いてくれるので安心です。)

C最後に,目覚まし時計。(目覚ましが鳴ると,起こしに来てくれます。)
勢いが良すぎてちょっと痛いときもありますが。。。

 基本的にとにかく誉める。トリートもあげますが,色々な誉め言葉を使って誉めまくります。子供達が拍手しようものならなおさら,というわけで今では「生き甲斐」にまでなっています。

                            「徒然なるままに2」につづく

monologuemonologuemonologuemonologuemonologuemonologue


ウィンドウを閉じる
 つぎへ